Webメディアの三方良し

Webメディアの運営において、実施する施策について、誰が何をやるべきか、自分がどこまでやるべきか錯綜しており、自分なりに「三方良し」という考え方に沿ってやるべきことをまとめてみたのでその記録。

 

「三方良し」とは「売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売である」という考え方。江戸時代初期に近江商人が提唱したそう。(ちなみに、私は「売り手、買い手、自社の三方良し」と勘違いをしていた)

 

この考え方をもとに、今後自社の運営Webメディアがどのような戦略をとっていくかを整理してみる。ちなみに前提として、弊社Webメディアは広告収益型のビジネスモデルであり、以下の考察はその型に当てはめている。

 

結論から、私はWebメディアの三方良しは以下の通りであると考えている。

 

・売り手:メディア

・買い手:広告主

・世間:ユーザー

 

最初に、Webメディアは「広告枠を売る」という意味において売り手と定義をしている。次に、その枠を「買う」という意味において買い手は広告主。最後に、Webメディアという媒介物、プラットフォームに集まるユーザーは「世間」と定義している。上記の定義の中で私が考える三方良しを言語化するとこういうことになるだろう。

 

1.Webメディアに集まった人(世間)は受け取る情報や体験に満足をし、

2.Webメディア(売り手)は集まった人たちに提供する商品(広告枠)を設計する。

3.その広告枠を広告主(買い手)は買い取り、満足した結果を出すことができる。

 

Webメディア運営をしていく中で、「この施策は誰の為に行われ、誰が喜び不幸になるか」というのは意外と混沌としてわかりにくかったりする。そのため、こういう整理をすると自分たちが何をやるべきかや、誰がどこまでやるべきかや、何が不足しているかを明確にさせることができると考える。

 

例えば自社は「ユーザー強化チーム」「収益強化チーム」という2チームに分かれてWebメディアを運営している。ユーザー強化チームが見るべき指標は1、収益強化チームが見るべき指標は2,3となっている。

 

改めて考えると、自社含め、多くのメディアは3が喜ぶ指標を明確に持っていないのではないかもしれない。世の中大半のWebメディアが自社の収益とユーザー集めに翻弄しているだろうし、自社も似たようなもので、それでそこそこの収益は生まれている。とはいえ、三方良しの考えに則れば、そのような「買い手が喜ぶ」指標を追っていくのは、メディアが更にビジネスを成功させていく上では必要なのではないかなと考えている。

 

そして、1,2,3で役割を分けたからといって「この人はこれだけを考えれば良い」という考え方はできないと考える。メディアはいわば人集めの手段や箱のような存在で、人を集めるのみでは事業になりえない。逆もまた然りである。モノを売りまくろうとしても人が集まらないのであれば話にならない。(こんなことを昔何かの本に書いてあったが、何の本かは忘れた。今必死に引用元を検索中)

 

メディア事業をやるのであれば、そこにどのような人を集め、どのような商売をするかは、明確に設計をし、メディア運営時も常に考え続けていかなければならないと考える。手を動かす施策は一部のことでも、頭ではメディア全体のことを常に考える必要があるはずだ。

 

難しいテクニックや流行の話が錯綜するWebメディアの世界において、ビジネス設計はいとも簡単に見失われやすい。自分たちがやっている仕事が、誰の役にたつものなのか、何の為にやるものなのか。作業に取り組む前に自分の頭の中で整理する必要があると感じた。

 

以上、メディア事業における三方良しとはどのようなものか考えてみた。

まとめると以下の通りである。

 

Webメディアの三方は「作り手」「買い手」「読み手」と考えてみる。

・三方のバランスを取る為、メディア運営に関わるものは全員、常に事業全体のバランスを見ておく必要がある。

 

次回はWebメディアにおけるユーザーの「満足度」をどのように見える化するかについて考えてみる予定。